病気を治したり、症状を軽くしたりする、薬本来の目的の働きのことを「主作用」といいます。市販薬の箱やラベルに書かれている「効果・効能」のことです。
服用したお薬は、主に小腸から吸収され、血液とともに全身をめぐり、必要な部位で効果を発揮します。この時の血液に溶けている薬の濃度を「血中濃度」といいます。
薬の正しい効果を得るには、ちょうど良い血中濃度を保つことが大切です。そのために用法・用量が定められています。
用法・用量は患者さんの病気やケガの状態、年齢や体重、今飲んでいる薬などを考慮して決められています。
薬は必要なところで効果的に働くだけでなく、別のことに影響を与えることがあります。
「頭痛薬を飲んで痛みは治まったけれど、とても眠くなってしまった」という場合のように、お薬の目的以外の作用が「副作用」と呼ばれます。
副作用が現れる原因はさまざまで、個人差もあります。
治療する目的とは違う部位で効いてしまったり、目的以外の効果がでてしまうことがあります。
服用する時間や間隔、量などを間違って使用してしまったり、他の薬や食品などとの飲みあわせで起こってしまうことがあります。
薬本来の作用(主作用)と副作用は、どちらも本来薬が持っている性質のため、副作用のまったくない薬はありません。必要以上に副作用を心配する必要はありませんが、薬剤師の説明を良く聞いて、服用方法・用量を正しく守ることが、副作用を防ぐうえで大切になります。
市販のお薬を購入する際にも、どのような副作用があり、ご自身の体質に合っているかなど、薬剤師や登録販売者に相談するようにしましょう。
アレルギー体質の方は、薬に対しても過敏な反応がでやすいので注意が必要です。診察の際には医師に必ずアレルギーのことを伝えてください。また、調剤薬局やドラッグストアでお薬を購入する際にも薬剤師や登録販売者にもどのようなものに対してアレルギーがあるかなどを伝えるようにしてください。
また、持病がある方もお薬には注意が必要です。購入する薬とは別に常用薬がある人は、薬の飲み合わせなどによって症状が悪化してしまったり、思わぬ副作用が起きてしまう恐れもあります。現在治療中の病気がある場合には、必ず医師や薬剤師に相談してください。