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相談できるパートナーとして
①「心」
②「腎」
③「心」でも「腎」でも、どちらでもよい
正解は、、、
【肝心要(肝腎要)】
意味:特に大切なこと
語源:肝臓と心臓、あるいは肝臓と腎臓は、人体にとってきわめて重要な部位であることから(大辞林第3版より)
補足:元々は「腎」が使われていたそうです。戦後しばらく大人の事情で「腎」が使用できなくなり「心」が用いられるようになりましたが、平成22年に「腎」の復活が認められ、現在は「心」と「腎」のどちらを用いてもよいそうです。
いきなり得しない雑学にがっかりさせてしまっていたら申し訳ございませんが、私が言いたいのは「腎臓が我々にとって重要な臓器である」ということです。
腎臓が重要な臓器だってことくらい知ってるよ~、という方も多いと思いますが、その「はたらき」についてきちんと説明できる方は意外と少ないのではないでしょうか?
今回は、腎臓の「はたらき」について理解を深めていただきたいと思います。
腎臓はソラマメのような形で、腰のあたり、背骨を挟んで左右に1つずつ、合計2つあります。2つ合わせた重さは約250g。「炭焼きレストランさ〇〇か」の「げ〇〇つハンバーグ」くらいということですね。
みなさんが一番よく知っているのは、この「尿をつくる」はたらきではないでしょうか。腎臓には毎日1500Lも(1人用のバスタブ6個分くらい)の血液が流れています。この血液を糸球体(しきゅうたい)で濾過し、1日あたり150Lほどの「原尿」を作ります。「原尿」は尿細管を通り、最終的に1日あたり1.5Lほどの尿として体の外に排泄されます。このはたらきによって、血液中の老廃物(ゴミ)や余分な水分を体の外に排泄しています。
糸球体で濾過された血液、すなわち、「原尿」が尿細管を通る時、体にとって必要な栄養素、ミネラル、水分が回収され(このはたらきを「再吸収」といいます)、不要なものだけが排泄される仕組みがとられています。この仕組みにより体内環境を一定に保っています。
腎臓は血液の流れを監視しています。血液の流れが悪くなると、レニンという酵素を分泌し、血管を収縮させて血圧を上昇させることにより、血液の流れを確保します。このレニンの分泌量を調節することにより血圧を一定に保っています。
私たちの血液は、赤血球、白血球、血小板、血漿、と様々な成分によって構成されています。これらのうち、赤血球は体の隅々に酸素を運ぶはたらきをしています。この赤血球をつくるために必要なエリスロポエチンというホルモンを分泌しているのも腎臓なんです。
骨の材料といえばカルシウム、で・す・が、食べ物などから摂取したカルシウムを骨の材料として利用するためには、まず腸で吸収される必要があります。この吸収を助けるのがビタミンDですが、ビタミンDには「なまけもの」(言葉が悪くてゴメンなさい。)と「はたらきもの」があります。腎臓は「なまけもの」のビタミンDを「はたらきもの」に変える役割(ビタミンDの活性化)も担っているのです。
いかがでしょうか?
前回のコラムで心臓がはたらきものであることが述べられていましたが、腎臓も負けていませんね。
我々の知らないところで腎臓が物凄く頑張っていることが分かっていただけたかと思います。
同時に、腎臓が弱ってしまったらどうなるんだろう?
って、心配になった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
というわけで、次回は今回の内容を踏まえ、腎臓が弱ってしまった場合に私たちの体にどのようなことが起こるのかを探っていきたいと思います。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。