
こんにちは、吉田です。いつもコラムをお読みいただきありがとうございます。11月もあっという間に終わってしまいましたね。皆様は食欲の秋を満喫されたでしょうか?私が秋の食材で好きなものを一つ上げるとすれば「秋ナス」ですね。焼いてもよし、揚げてもよし、ご飯もお酒も進んでしまいます。
薬剤師コラム
薬剤師をより身近に
お薬や健康について
相談できるパートナーとして

こんにちは、吉田です。いつもコラムをお読みいただきありがとうございます。11月もあっという間に終わってしまいましたね。皆様は食欲の秋を満喫されたでしょうか?私が秋の食材で好きなものを一つ上げるとすれば「秋ナス」ですね。焼いてもよし、揚げてもよし、ご飯もお酒も進んでしまいます。

冒頭から話が脱線しましたが、本日は血圧と食事の関係性を解説していきます。この時点で多くの皆様は「どうせ塩分を控えろっていう話だろ?」とお思いになるでしょう。
はい、そのとおりです(^_^;)
「ほらやっぱりな、知ってるよ」と皆様が仰っていることと存じます。ではもう一歩踏み込んで、なぜ塩分を取りすぎると血圧が上がるのでしょうか?せっかくなので、先ず今回はなぜ塩分が血圧と関係するのかを知っていただけると幸いです。
食塩に限らず、最近では様々なタイプの塩が流通していますが、どんなものでも主成分は塩化ナトリウム(NaCl)ですよね。この塩化ナトリウムの、「ナトリウム」が体の中でとても重要な役割を担っています。
例えば、体の水分の調整をしたり、筋肉を動かす、神経を伝達させる、栄養の運搬するなど、とにかく生きるために不可欠な存在です。これだけ生命に関わる元素のため、多すぎたり少なすぎると体に異常をきたします。
もし塩分を摂りすぎた場合、体内のナトリウム濃度が濃くなります。すると、体はそれを薄めようと体液を多く保とうとします。結果、血液量も多くなるので、血圧が高くなってしまいます。
血圧が高くなりにくい方でも、塩分の過剰摂取は「むくみ」として現れることもあります。よくある話ですが、夜中にラーメンを食べた翌朝、顔や手足がパンパンに浮腫んでいる、なんて経験をされた方も少なくないかもしれません。
余談ですが、反対に塩分(ナトリウム)濃度が薄くなるとどうなるでしょう?起こりやすいのは、過度な運動等で汗からナトリウムが失われてしまうようなケースです。スポーツ選手が激しい運動をした時に筋痙攣を起こす、暑い日に熱中症・脱水症で脱力感・筋痙攣がおきる、これらはナトリウムが関係して起こっていると言えます。
こんな時は経口補水液で塩分を補うことが大切です。更に症状が進行し、手足が冷たい、脈が弱い、口の中が乾くなどの症状があれば通院するなどの対応が必要です。ここで断っておきますが、経口補水液を日々の脱水症予防として摂取することはオススメできません。ご参考までに、過去のOS−1のコラムも添付しておきます。
ここまで血圧と塩分の関係性をお伝えしてきました。ナトリウムは多すぎても少なくても体に良くないことをご理解いただけましたでしょうか。では、一体1日にどのくらいの摂取を心がけたほうが良いのでしょうか?
2020年の厚生労働省の発表では、1日の摂取量基準は成人男性7.5g未満、成人女性6.5g未満とされています。なお、高血圧や腎臓の病気を持つ方は6.0g未満とされています。
2016年の古いデータですが、静岡県民の1日あたり平均食塩摂取量は成人男性10.3g、成人女性9.0gと、基準を上回っています。このときの全国平均は成人男性10.8g、成人女性9.2gで、更に高い値でした。
ちなみに僕はラーメンが大好きなのですが、そのラーメン1食で簡単に1日の塩分摂取量を満たせてしまいます。なんとも心苦しいものです。
塩分の管理は本当に大変ですが、塩分の多い食べ物は絶対に食べてはだめと言うつもりは有りません。私もラーメンが食べたいです。健康的に食べるためには、食事のメリハリをしっかりと付け、1日トータルで調整するような意識を持つことが継続のコツだと思います。
参考
政府統計の総合窓口 e-Stat;国民健康・栄養調査_55_食塩摂取量の平均値 より
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003234773

ここからは、日々の生活で塩分管理のきっかけになりそうなヒントをお伝えさせていただきます。皆様が感じる疑問に答えるような形で解説していきたいと思います。
「塩分管理が大切なのはわかった。でも、そうは言っても塩分を自宅で調べようがない!」
と、そう思われる方もいらっしゃるでしょう。
そんなときにオススメなのが「塩分計」です。液体や柔らかい煮物などに限りますが、汁物や鍋などの塩分を手軽に測定することができます。価格も1,000円台からあり比較的お手軽に始めることができます。
「家では測定できるかもしれないが、いつも外食や買い弁が多いんだよ」
私もそのクチで、よく分かります。コンビニ弁当など一部商品には塩分も記載されていますが、一般的にはわからないケースも多いです。
そんなときはこちらの簡単チェックをやってみてください。
【塩分摂り方チェック】
http://shizuoka-shokuiku.jp/genen55/
こちらは静岡県のホームページからアクセスすることができます。19の質問に回答することで、ご自身の塩分摂取量を見える化します。
ちなみに私は11点の赤信号。。。外食の多さが仇となっていました。やはりラーメンでしょうか。
「減塩メニューってどう作っていいかわからないし、そもそも日々の献立を考えること自体が大変なのよね」
このご意見は何度も頂戴したことがあります。お任せください、そんなときにオススメなサイトがこちらです。
【おいしい健康】
https://oishi-kenko.com/
このサイトはあのクックパッドから独立した「株式会社おいしい健康」が運営しています。病気別にメニュー検索ができたり、オススメ献立を提案してくれるサービスもあります。例えば高血圧で検索すれば、塩分控えめのメニューが数千件ヒットします!私も妻にお願いして作ってもらったことがありますが、減塩メニューと言われなければわからない美味しさでした。とってもオススメです!開設当時の話ですが、聞いたところによると、メニューはクックパッドの人気メニューを管理栄養士がアレンジしたものだそうです。だから美味しいメニューが多いんです。高血圧以外にも、糖尿病や高コレステロール、美容・ダイエットなど様々なカテゴリーがあるのが魅力です。今晩の献立はこちらで検索してみてはいかがでしょうか?
「そうはいっても、たまには外食もしたいよね。でも塩分は控えたいんだよな。」
こんな相対する想いを実現しようと頑張っている町・お店があります。
【ふじえだヘルシー認定店】
https://www.city.fujieda.shizuoka.jp/soshiki/sukoyaka/kenkosuishin/gyomu/2/1513838745691.html
【はままつ食de元気応援店】
https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/welhamamatsu/kenkotekinashoku/inshokuten/index.html
減塩メニューがあるお店ってなかなか見つけられませんよね。こうやってまとめサイトがあると非常に助かりますし、こういった活動を応援したいですね。週末のドライブの予定に組み込んでみてはいかがでしょうか?

今回は血圧と塩分について解説させていただきました。食事という日々の生活に直結するテーマでしたので、具体的な商品やお店をお伝えすることを意識させていただきました。いかがだったでしょうか。一つでもお役に立てる情報がありましたら幸いです。
さて、5回に渡ってお届けした「血圧」のコラムは今回で最後となります。次回からは、糖尿病をテーマにお届けしたいと思います。今後とも宜しくお願いいたします。