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高血圧④ 高血圧薬の種類と特徴(後編)

  • Category: 血圧
  • 2022.10.28
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こんにちは、吉田です。いつもコラムをお読みいただきありがとうございます。最近はInstagramも開始しまして、お陰様で徐々にフォローをいただいております。今後も様々な発信から少しでも皆様のお役に立てたらと思っております。もしご意見・ご感想等ございましたら、以下のリンクよりお気軽にお問合せください。

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さて、今回は前回に続き、降圧薬の種類と特徴についてです。早速スタートしましょう!もし前回の記事をお読みでない方は、こちらからどうぞ。

▷ 利尿剤

主な商品名(成分名)

・ナトリックス(インダパミド)
・フルイトラン(トリクロルメチアジド)
・アルダクトン(スピロノラクトン)
・ラシックス(フロセミド)
など

特徴

利尿剤とは、書いて字の如く、尿として水分を外に出す薬です。よって、浮腫みがあると服用するイメージを持たれるかもしれません。ご想像の通りで、心臓や腎臓の病気で体内に水分量が増えた場合、利尿剤を使用します。
一方、今回のテーマのように、高血圧に対しても使用される事が多いです。実際、高血圧治療ガイドラインでは第一選択薬の位置づけにあります。以前のコラムでも記載しましたが、血圧は血液が血管を押す力のことを言います(コラム①参照)。血液=水分ですので、体の余分な水分を抜いてあげると血圧は下がる訳です。
実際には、心臓や腎臓を悪くすることで血圧が上昇し、浮腫と血圧の両方に対して必要とされて使用するケースも少なくありません。
 
ひとえに利尿剤と言っても、効果の強さや特徴は様々です。年齢・血圧・合併症などを考慮して薬を選択します。また、基本的には高血圧に対して単発で使用することは珍しく、基本的には他の高血圧治療薬(Ca拮抗薬、ACE、ARB)と併用されます。

注意点

尿の排泄は電解質成分と関係しています。なかでも、血液中のカリウム値を変化させることが知られています。カリウム値が高くなりすぎる、または低くなりすぎることで体に害を及ぼすことがあるので、使用している間は採血検査にて数値に変化がないかを医師・看護師・薬剤師がチェックしています。
また、痛風や高尿酸血症を起こすこともあります。これらの治療をされている方に対しても、数値をしっかりとモニタリングして行く必要があります。

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▷ β遮断薬

主な商品名(成分名)

・メインテート(ビソプロロール)
・テノーミン(アテノロール)
・アーチスト(カルベジロール)
など

特徴

体の中には、いたるところにβ受容体というものがあります。β受容体は筋肉を収縮したり弛緩させるために機能しています。β受容体にもいくつか種類があるのですが、上に示したβ遮断薬は主に心臓のβ受容体の働きを抑えるという特徴をもつ薬です。
心臓は心筋という筋肉の塊ですので、β遮断薬を服用すれば心臓の過度な動きが抑えられたり、心拍数が抑えられるのです。よって、狭心症や心筋梗塞を患われている方、高心拍型の高血圧の方などに使用されています。現在のご病気が高血圧だけであれば、検討にはあがらない薬とも言えます。

注意点

β遮断薬は気管支のβ受容体にも作用することがあると知られています。もし作用すると、気管支の筋肉が収縮して喘息症状を誘発することがあります。現在、気管支喘息等の治療をされているのであれば、ぜひ医師・薬剤師にその旨をお伝えいただけますと幸いです。

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▷ 配合薬

主な商品名(成分名)

【Ca拮抗薬+ARB】
・ミカムロ(アムロジピン+テルミサルタン)
・レザルタス(アゼルニジピン+オルメサルタン)
・エックスフォージ(アムロジピン+バルサルタン)
・ユニシア(アムロジピン+カンデサルタン)
・ザクラス(アムロジピン+アジルサルタン)
 など

【ARB+利尿剤】
・エカード(カンデサルタン+ヒドロクロロチアジド)
・ミコンビ(テルミサルタン+ヒドロクロロチアジド)
・コディオ(バルサルタン+ヒドロクロロチアジド)
・イルトラ(イルベサルタン+トリクロルメチアジド)
 など

【Ca拮抗薬+ARB+利尿剤】
・ミカトリオ(アムロジピン+テルミサルタン+ヒドロクロロチアジド)

特徴

ここまで解説してきた薬を配合し、1つの薬として発売されているものになります。血圧が高い場合、複数の薬を組み合わせて服用するのですが、その数が多くなればなるほど負担が生じます。そこで、患者さんの利便性を考えて様々なパターンの配合薬が発売されています。
もし、「薬をたくさん飲んでいて辛いな、嫌だな、少しでも数が減るといいな。」そう感じることがありましたら、遠慮なく薬剤師にご相談ください。
 

注意点

1つにまとめられていて、とっても便利な配合薬なのですが、だからこそのデメリットもあります。例えば体調が変化した時、細かな調整が必要な時、配合されているからこそ返って調整が困難になってしまいます。よって、配合薬を使用する場合、現在の治療で血圧が安定していることが一つの条件になります。
また、これは患者さんというより医療者側、むしろ主観的な悩みなのですが、覚えるのに非常に大変です!!「この配合剤は何と何が何㎎ずつだっけ?」と、混乱の種でもあります。医薬品名から名前を連想できる配合薬は非常に使いやすいなと感じています。

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まとめ

後編は以上となります。利尿剤とβ遮断薬は高血圧治療の目的以外の面も少し触れさせていただきました。特に心臓に関係する話は、それだけで数回のコラムがかけそうな薬です。いずれ、心疾患を取り上げる折には、改めて触れていきたいと思います。
次回の高血圧5回目は「高血圧と食事」について取り上げたいと思います。また1ヶ月後にお会いしましょう!